日記

20歳になって振袖をきた時の事

私の着物の思い出といえば、20歳になって神社に初詣に行くときに振袖で行った時のことですね。
着物といえば七五三、以来で当時の記憶はほとんど無いですし、ちゃんとした着物は20歳になってからが初めてだったので着る前から、なんだかワクワクしました。

幸い母が着付けの仕方を知っていて、祖母から譲り受けた着物があったのでそれを着ることになりました。タンスの中から薄紫地に大きな花と手毬柄の綺麗な振袖が出てきて薄紫のグラデーションが色鮮やかで、とても美しく、花や手毬の模様も繊細でうっとりしてしまいました。

着付けの最中は帯や胸元が苦しかったけど、着付けが終わって綺麗な着物をちゃんと着れた時は嬉しかったですね。記念の写真を撮って、神社にお参りに行きました。

足袋や草履なども普段は履かないので、足元がおぼつかない感じでしたが、何とか神社の本殿までたどり着きお参りして帰りました。足元がおぼつかないながらも、着物を着てるだけで心まで華やぐというか、自分が普段と違う感じで、自然と背筋がピンとするような、とても爽快な気持ちになりました。

ただ、やはり普段着慣れないものは疲労が蓄積するのので、自宅に帰った時にはすっかりクタクタ。
暑いし、胸元や腰が苦しいから、早く脱ぎたいと音を上げました。

母に着物を脱がせてもらって、ようやく肩の荷が下りたというか、脱いだ瞬間は着物ってこんなに大変なのかと全身汗だくで、ぐったりしてしまいました。

着物を脱いだ直後は暑いし、苦しいし、動きにくいので、もう二度と着なくていいと思いましたが、今思うと良い思い出だったなと思います。

私が袖を通した祖母から伝わる着物は妹の成人式でも着られ妹も、暑い、苦しいとさんざん愚痴っていましたが、振袖を着て写真を撮った時は嬉しそうにしていました。

祖先の物が代々伝わっていくのって中々、無いのでこういう形で祖母、母、娘に同じ着物が受け継がれているのも、良いものだなと思います。

私や妹が着た振袖は今、タンスに眠っていますがまた娘が生まれて成人した際には、出されて記念日に花を添えてくれると思いますのでその時まで大事に保管しなくてはと思っています。

着物は古い物でも大事に保管していれば、ずっと長い間代々、着られるのがいいですね。おかげで祖母、母、私、妹だけでなく次の代まで同じ着物に袖を通すことが出来そうで、先のことに思いを馳せるとちょっと楽しみになってしまいますね。