日記

桜並木と取れた銀歯

職場の近所に桜並木があり、シーズンになると淡い色の花を満開に咲かせる。

昨年家族と桜を見に行った折、娘にもらったキャラメルを食べたら銀歯が取れた。
桜並木の向こうにちょうど歯科の看板が見えたのですぐに駆け込み直してもらったが、医者に聞いたらキャラメルやハイチューを食べて歯の詰め物が取れるのはよくあることだそうだ。
私のような患者の治療をすることもよくあると笑っていた。

以来、キャラメルを食べることはなくなった。
また銀歯が取れても困るし、そもそも甘いものは好きではない。
ただ娘は罪悪感があるようで、彼女のせいではないのに可哀想なことをしたと思っている。

その歯茎が最近また腫れるようになってきた。
忙しいのと億劫なのとでしばらく歯医者に行かずにいたら今度は痛みが出てきた。
歯が浮くような、むず痒いような感覚があって落ち着かない。いつも歯を気にしてしまう。
いい加減家族にも鬱陶しがられたので仕方なく歯医者に行くことにした。
昨年銀歯が取れたときに行った、桜並木の向こうに歯科の看板が見える歯医者だ。

桜の木を見上げながら石畳を歩くと、昨年の出来事がまざまざと思い出される。

歯の治療が終わったら、娘と一緒にキャラメルを食べようと思う。
今度は銀歯が取れないように注意しながら。